好きが涙に変わって溢れてく。

今だって誰が聞いてるかわかんないし、万が一明菜の耳に入ったりしたら……



キョロキョロと見回すと、瞳と逢織の視線が今度は私に向けられた。



「で?桜綾はどうだったの?」


「あ、私も聞いてなかった‼」



なんか楽しそうだな……こいつら。

3人揃ってそんな輝かしい目向けなくても……



「え~……、別に何もなかったけど、豚のぬいぐるみ……くれた」


「ぶ、ぶた!?」



ブッと息を噴き出す3人に、私の顔が赤くなる。


こうなるとは思ったんだよね。だから何となく言いたくなかったけど、私が迷子になったなんていったらもっとバカにしてきそうだから、まぁいっか。



「あいつが……っ」


「彩葉、笑いすぎ」


「だってさ、あいつが誰かに物を買うなんて初めて聞いたんだもん……っ」



机をバンバン叩きながら笑う彩葉。


え……そうなの?

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