好きが涙に変わって溢れてく。

サァーッと血の気が引いていくのがわかった。



「ヤバい……教室に置いたままだ……」


「はぁっ!?」



もう学校から大分歩いてきたから、どちらかといえば我が家の方が近い。


また引き返すのめんどくさいな……



「明日休み時間に終わらせるのって――……」


「完璧無理でしょ。できたら私もそうしてるって」


「ですよね……」



あの瞳ですら持ってきてるんだから、きっと相当な量があるんだろうな……


明日放課後に残りたくないし……



「しょうがない、取りに戻るか」


「大丈夫?」


「うん、平気平気。ゴメンね。2人は先帰ってて」


「……わかった。じゃあまた明日ね」



逢織と瞳と別れて、私は学校まで猛ダッシュした。歩くより走る方が早いからね。


案の定、学校には早く着いた。

あまり人がいない。


3年の廊下は、1人もいないし。



早く取って早く帰ろうと思っていたら、教室から話し声が聞こえてきた。





「いいなぁ……遊園地。私も行きたーい」

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