好きが涙に変わって溢れてく。

でも、魁との今までのことを考えると、ちょっとだけ期待してた。




一緒に掃除に残ってくれたこと。


私に謝る為に一生懸命だったこと。


遊園地で必死に私を探してくれたこと。


観覧車の中で私を抱きしめてくれたこと。


初めて私にぬいぐるみをくれたこと。




どれも些細なことばかりだけど嬉しくて、どうして?って思うことばかりで期待してた。


もしかしたら少しだけ、気になってたりしてくれてるかな?って思ってた。



ただの自惚れだってわかってる。


だけどその気持ちがあるからこそ、今まで頑張れた。


どんなことがあっても、魁の気持ちを聞かない限り頑張れると思ってた。



なのに、あの優しさも全部全部“ただの友達”だから――?


私は“ただの友達”“相談相手”

それ以上にはなれない。


どれだけ頑張っても、このままずっと。



「うっ……、うぁ……っ」



初めから、私が間違ってたんだ。


こんなに辛い思いするなら、頑張らなきゃよかった。



魁には明菜以外考えられない。そう言われた時に身を引くべきだったんだ。


どれだけ努力したって、結局は自分を余計苦しめるだけなんだから……


明菜にはかなわない。私じゃ届かない。


それが答えなんだ―――……



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