好きが涙に変わって溢れてく。
「わ、わかったよ。話すからちゃんと」
だから離れて、と付け加えると明菜は満足そうな笑みを浮かべながら離れた。
まぁ確かに明菜の言うこともわかる。
別に言えないことでもないので明菜に話すことにした。
「絶対に言わないでよー?」
「まっかせて‼」
今が授業中だと言うことも忘れて話し込む私たち。
ピアノの音とみんなの歌声のおかげで私たちの声が漏れることはなさそうだ。
「魁のことが好きなの」
「えー!?魁くん!?」
楽譜で顔を隠しながら、私は人差し指を口に当てる。
いくら何でも今の声は大きいよ。
「まぁでも確かに仲いいわよね。でも毎日あんな言い合いしてるから本当は嫌いなんだと思ってた」
「私は明菜みたいに素直になれないのよ。一緒にしないでよねっ」
口を尖らせながら拗ねるように言うと、明菜はクスクスと笑い出した。
「ダメよ?いつだって素直でいなきゃ。意地張ってもいい事ないし」
「……彩葉たちと同じこと言わないでよ」