好きが涙に変わって溢れてく。
「今桜綾がどんな気持ちかわかる?するはずもない嘘を学校中に広められて、桜綾だけ責めて、どれだけ辛い思いしてるかわかってんの!?」
魁が私から目をそらす。
「そりゃあね……明菜の話しか聞いてないんなら、明菜のこと庇うのも当然だわ。
ねぇ?そうだよね……?明菜」
明菜に視線を変えると、明菜は怯えた目で私を見ている。
魁を離すと今度は明菜に近付いた。
「楽しい?嘘バラまいて、桜綾を悪者にするの。桜綾の幸せを奪い取るの、それがあんたの生きがい?」
苛立ちは募るばかり。
「いいよねー、困ったことがあったらちょっと泣けばすむんだから。そんなか弱いところアピールしてたら、誰も明菜のこと疑わないもんねぇ?」
ビクビクと震える明菜。だが私は少しも動じない。
「悪いけど、あんたの本性知ってるのは桜綾と瞳だけじゃないから。私と逢織もちゃんと知ってるからね」