好きが涙に変わって溢れてく。

*****


絶対にあんな奴の前で泣いたりするもんか。


我慢をし続けて、私はようやく解放出来る場所を見つけた。



非常口にもなっている外へと続いている階段。


教室とは校舎が離れてるし、隅の方だからあまり人は来ない。

私はふぅ、と一息ついて腰をおろす。




「何言ってるんだろ……」



今頃どうなってるかな……


彩葉たちも驚いてたな……



軽蔑とかしてないよね?


彩葉たちは信じたりしないよね?



「バカじゃん……私」



あそこまで言わなきゃよかった。言ったって誰も信じないし、私が余計悪者になるだけなのに。


これじゃあ自分で自分を苦しめているようなものだ。



冷たい風に当たりながら、身を寄せて壁にピタリとくっついている私。


すると、5限目開始を告げるチャイムが鳴った。



今の状態じゃ教室に戻れない。


みんなに会いたくない。魁に会いたくない。



魁に会うのが怖い……。


今日はもう帰ろうかな……






「桜綾……っ‼」

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