好きが涙に変わって溢れてく。
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絶対にあんな奴の前で泣いたりするもんか。
我慢をし続けて、私はようやく解放出来る場所を見つけた。
非常口にもなっている外へと続いている階段。
教室とは校舎が離れてるし、隅の方だからあまり人は来ない。
私はふぅ、と一息ついて腰をおろす。
「何言ってるんだろ……」
今頃どうなってるかな……
彩葉たちも驚いてたな……
軽蔑とかしてないよね?
彩葉たちは信じたりしないよね?
「バカじゃん……私」
あそこまで言わなきゃよかった。言ったって誰も信じないし、私が余計悪者になるだけなのに。
これじゃあ自分で自分を苦しめているようなものだ。
冷たい風に当たりながら、身を寄せて壁にピタリとくっついている私。
すると、5限目開始を告げるチャイムが鳴った。
今の状態じゃ教室に戻れない。
みんなに会いたくない。魁に会いたくない。
魁に会うのが怖い……。
今日はもう帰ろうかな……
「桜綾……っ‼」