好きが涙に変わって溢れてく。
バンッと扉が開いて、現れた人物は私を見るなりギュッと抱きしめた。
「よかった……やっと見つけた」
「さ、よ……?」
彩葉だけじゃない、息を荒くした瞳と逢織も後ろに立っている。
「桜綾……あんな噂、嘘だって分かってるから。私たちは、ずっとずっと桜綾の味方だからね……」
探してくれた。ここに来てくれた。
私のことを、分かってくれてるんだ。
「あ、あり……、がと……っ」
よかった……
少しだけ、安心できた。彩葉達も離れていくんじゃないかって心配だったから。
魁を避けるようになってからは毎日のようにギリギリに学校に来て、終わったらすぐに帰っていた。
だから例え噂でも、あり得ることだから疑われてたらどうしようって、怖かった。
「ほんっとに明菜の奴許せない……」
「明菜もだけど、1番腹立つのは魁だね」
瞳の言葉に、彩葉が続ける。
私の心は、やっぱり痛くてたまらなかった。
確かに明菜は許せないけど、それよりもショックだったのが魁の言葉。