好きが涙に変わって溢れてく。
妙な胸騒ぎ
「ねぇ、6組の蕪城尊琉って人知ってる?」
次の日、早速みんなに聞いてみた。
「あ~、私知ってるよ。尊琉でしょ?」
そう言ったのは、逢織。
瞳と彩葉は全く知らない様子。
「尊琉は彼氏と仲いいから、それ通じて私も喋ったりもするし」
「そうなんだ……」
何度も頷いて納得していると、瞳がニヤニヤしながら顔を近付けてきた。
「どうしたのっ?もしかして……気になるとか?」
「何でそうなんのよ……っ」
思わずズルッと滑ってしまいそうな勢い。
「昨日ね、掃除手伝ってくれて……」
「尊琉が……?」
「うん。いきなり現れたからビックリして、喋ったこともなかったし」
逢織は、目を丸くして驚いているようだ。
「へぇ~、尊琉がねぇ……」
「その人ってどんな人なの?」
逢織の言葉に瞳と彩葉は興味津々。
私はそんなに気にはならなかったけど
それよりも――……
目線の先には、明菜と魁の姿。
2人の方が、よっぽど気になってしまう。