好きが涙に変わって溢れてく。
「……可愛いなお前」
急に私に近付いてきたと思ったら、お兄ちゃんはポンポンと私の頭を撫でる。
だけど私は疑いの眼差しを消さないまま。
「その手には乗らないよ?」
「あ、やっぱり?」
「当たり前でしょ、いつものことじゃん‼」
私の機嫌が悪くなると、いつも頭を撫でて機嫌を取ろうとする。
最初はドキドキしたりして嬉しかったけど、今はそんな気持ち欠片もない。
「ははっ。でも嘘じゃねぇって」
「はいはい。早く自分の部屋行ったら?」
その言葉も聞き飽きた。
だから軽く流すとようやく私の頭から手を離したお兄ちゃん。
「お前さ、なんかいいことあったろ?」
「えっ!?」
カァッと顔が赤くなり、動揺を隠せない。
「な、何で!?」
「見てりゃわかるよ。お前は俺の妹なんだから」
「うっそ……」
顔を押さえながらお兄ちゃんから目をそらした。
自分では全くわからなかったけど、顔に出ていたのだろうか。