好きが涙に変わって溢れてく。

「さ~やっ‼」


教室に向かっていると、後ろから肩を叩かれた。


振り返ると、何やら楽しそうな笑みを浮かべている逢織と瞳。



「あ、おはよっ‼今日は2人?」


「うん。たまたまそこで会ってさ」


「そうなんだ~」



緩んだままの頬を向けていると、逢織が私の肘をつついた。



「見てたよーさっき。朝からお熱いねぇ」


「え、うそ!?」



耳元でコソッと話す逢織。

顔の温度が一気に上昇する。



「バッチリだったよっ‼私たちすぐ後ろにいたし」


「かなりいい感じじゃなぁーい」



そう言われるとすごく恥ずかしく思えて私は黙り込んでしまった。


2人ともニヤリとした笑みを離さない。



教室に入ると、2人は真っ先に彩葉の元へ向かって行った。




「ねぇ彩葉、聞いてよ。桜綾と魁くん結構いい感じなの‼」


「うそー!?よかったじゃん、桜綾ー‼」



勉強していた彩葉も大喜びと言った様子で私を見上げる。

< 24 / 432 >

この作品をシェア

pagetop