好きが涙に変わって溢れてく。
「さ~やっ‼」
教室に向かっていると、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、何やら楽しそうな笑みを浮かべている逢織と瞳。
「あ、おはよっ‼今日は2人?」
「うん。たまたまそこで会ってさ」
「そうなんだ~」
緩んだままの頬を向けていると、逢織が私の肘をつついた。
「見てたよーさっき。朝からお熱いねぇ」
「え、うそ!?」
耳元でコソッと話す逢織。
顔の温度が一気に上昇する。
「バッチリだったよっ‼私たちすぐ後ろにいたし」
「かなりいい感じじゃなぁーい」
そう言われるとすごく恥ずかしく思えて私は黙り込んでしまった。
2人ともニヤリとした笑みを離さない。
教室に入ると、2人は真っ先に彩葉の元へ向かって行った。
「ねぇ彩葉、聞いてよ。桜綾と魁くん結構いい感じなの‼」
「うそー!?よかったじゃん、桜綾ー‼」
勉強していた彩葉も大喜びと言った様子で私を見上げる。