好きが涙に変わって溢れてく。
告白……勘違い
それから2、3日経ったある日。
私が1人で廊下を歩いていると、教室の扉の所で魁の後ろ姿を見つけた。
じっと動かずに誰かを探しているのか、真後ろにいる私の存在に全く気付いていない。
「魁?誰か探してるの?」
背中に声をかけると、魁が勢い良く振り返る。
「あ、片桐……」
焦りを見せる魁に、私は首を傾げた。
「なんか挙動不審じゃない?どうしたのよ?」
「いや、別に……何でもねぇんだけどよ……」
「っていうよりも、こんな所で突っ立ってないで教室に入ったら?休み時間なんだし」
怪訝の眼差しを送っても、魁はどこか慌てているような気がした。
いくら促しても、教室に入ろうとしないし。
何かいつもと様子が違う……。
本当にどうしたんだろう。
「魁?どうしたの?何かすっごい慌ててない?」
「な、何でもねぇよ‼じゃあな」
目が合うなり、魁は急ぎ足で教室から去っていった。
「……??」
一体何だったんだろう……。
気にはなったが、そこまで知りたいとは思わなかった私は普通に彩葉達の元へ向かった。