好きが涙に変わって溢れてく。
「ねぇ、魁見た?」
「魁くん?」
早速私はさっきのことを彩葉達に話した。
だけど3人共会話に夢中になっていた為に、魁の存在に全く気付いていないようだ。
「なんかいつもと様子が違ったんだよね。慌ててるっていうか焦ってる感じで。それに誰か探してたみたいだし」
「全っ然知らなかった。桜綾じゃないの?」
「絶対に私じゃないと思う。
……まぁいっか。別にどうでもいいことかもしれないし」
「そっか」
どうでもいいことに関しては頭の切り替えが早い私は、すぐに全く別の話で盛り上がっていた。
魁があの時何をしていたのか、それはすぐ後にわかることだった――