好きが涙に変わって溢れてく。


どこ行ったんだろう。


一応、一通り全部の教室回ってみたけどどこにもいないし、もしかして帰ったとか。


スマホで連絡することも出来たけど、それはしたくなかった。



何とかして探さないと……


学校にいないってことは、外か?


そう思って靴を履き替えて外を探し回っていると、中庭に人影が見えた。



ゆっくりと近付いていくと……いた。


草村に身を潜めて、寝転んでいる魁。


こんな所じゃ見つからないわ……

寝てるのかな?目瞑ってるし。



魁の隣に腰を下ろすと、スヤスヤと寝息をたてている魁の頬をギュッとつまんだ。


結構力をいれて。





「って‼」



何事かと起き上がる魁。


頬を押さえていると目が合って、私はニッコリと笑ってやった。



「こんな所で堂々とサボるなんて不良だねぇ」


「な、何で片桐が……」



あれ、そんなに機嫌悪そうじゃないじゃん。



「遼也が、ずっと機嫌悪いから何とかしてって言ってきたから探してたの」


「あいつ余計なことを……」


「でもそんなに機嫌悪そうじゃないね」


「んなもん寝たらなくなったよ」



欠伸しながらまだ少し眠そうだし。

ずっと寝てたのかな。




「ごめんね。私のせいでしょ?」


「は?何で?」



“は?”ってこっちが“は?”って聞きたいよ。

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