好きが涙に変わって溢れてく。

「うん、彩葉は本当に心強いよ。凄く助かってるもん」


「あいつにしちゃあ珍しいけどな。よっぽど片桐のこと信頼してんだな」



そう言われるとなんか照れるな……



「私にとってすごく大切な友達だからね」



それはもちろん逢織と瞳も同じ。



「いい友達持ったじゃん」


「うんっ」



本当にあそこまでしてくれるのは彩葉達だけだと思う。


そう考えると、私って幸せ者だなぁって少し贅沢な気分になる。




「魁にしてみても、遼也って大切な友達でしょ?」


「そうだな。あいつだけは唯一信じられる。俺の親友だな」



魁も凄く嬉しそう。


よっぽど遼也のこと信用してるんだね。





「あ、ねぇ聞いていい?」


「無理」


「まだ何も言ってないじゃんっ‼」


「はは、嘘嘘。何?」



またからかって……



「この前の金髪の人達、魁の友達なの?」



意外だけど、魁のこと知ってたみたいだし、名前呼んでたし……



「あぁ……あいつらか」



頭の後ろで手を組んで、面倒くさそうに言った。



「一時連んでたけど、すぐに抜けた。あんなチャラチャラしてる奴は俺には合わね」


「ふーん……」



再び草村に横になって、寝る体制に入る魁。


そうはいくかっ。




「あんまり人のこと言えないと思うけどねー」

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