好きが涙に変わって溢れてく。

「ねぇ、視力いくつ?」


「……信じてないだろ」


「だって、有り得ないもん……っ」



細すぎって……こんな体系で細かったらどの体系から太ってるに入るんだろう……



「ちょっと手かして」



テーブルの上に右手を置くと、尊琉君は私の腕を掴んだ。



「ほっせー」



ブレザーの上からなのに、尊琉君の手のひらに収まる手首。



「尊琉君の手が大きいだけだって。中学生の時なんてもっと細かったんだよ?」


「これよりも?」


「うん」



あぁ……あの頃の体系に戻れるなら戻りたい。



「ダイエットとか、すんなよ」


「大丈夫。意志が弱いからしようとしてもすぐに挫折するし」



今まで何度試したことか……


最高でも一週間。痩せなくてムカついて諦めた。



一週間じゃそんな結果なんて出ないのに、もう少し頑張ってたら痩せてたかもなぁ……



「桜綾ちゃんは今のままでいいよ、絶対」


「あ、ありがとう」



尊琉君に言われると妙に説得力感じるんだよね……ちょっと安心。



残りのケーキを平らげると、私たちは店を出た。




「今日はありがとう。すごく楽しかった」


「そりゃよかったです。またいい場所あったら教えるよ」


「うん、楽しみにしてる」



その後尊琉君は家まで送ってくれて、私たちは別れた。

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