好きが涙に変わって溢れてく。

「そ。なら楽しみにしてるからー」



毎回こんな感じで、何にも喋らなかった時が信じられないくらい元通りだった。


明菜がこれを知ったらどうなることか……


でも無視はしたくないし、そりゃあやっぱり嬉しいし。




私が意識しなければそれでいい、こうなったら魁を魁だと思わなきゃいいとか。



かなりむちゃくちゃなことを考えていた。


あ~この優柔不断な性格、何とかならないかな……









「――そりゃどうしようもないっしょ。それが桜綾の性格なんだから」


「そ、そんなズバッと言わなくてもいいじゃんっ」




彩葉たちに話してみたら、案の定その答え。


わかっているからこそグサッとくる。



「あのねぇ……もう2年近く桜綾と一緒にいるんだよ?わかるって。一度決めたこと揺らいだりするの。やっぱり好きとか、やっぱり諦めるとか……聞き飽きました」


「はい。すんません」



きっと耳にタコができるくらい言ってるな。


数え切れないくらい、記憶にあるもん。



「一時的な感情で言い切っちゃうからね。それは私もそうだからわかるよ。だから言うじゃん、“意地張るな”“強がるな”って」



今まで何度言われたことか……。


恋愛のことになると特に酷い私。


でも優柔不断でも毎回3人共受け止めてくれるから、優しいんだよね。




「本当に忘れたいって思うなら、魁に告白したら?」


「えっ‼今!?」


「当たり前じゃんっ」



そんなこと言ってもなぁ……



「明菜がいるし……言えないよ」

< 287 / 432 >

この作品をシェア

pagetop