好きが涙に変わって溢れてく。
「そ。なら楽しみにしてるからー」
毎回こんな感じで、何にも喋らなかった時が信じられないくらい元通りだった。
明菜がこれを知ったらどうなることか……
でも無視はしたくないし、そりゃあやっぱり嬉しいし。
私が意識しなければそれでいい、こうなったら魁を魁だと思わなきゃいいとか。
かなりむちゃくちゃなことを考えていた。
あ~この優柔不断な性格、何とかならないかな……
「――そりゃどうしようもないっしょ。それが桜綾の性格なんだから」
「そ、そんなズバッと言わなくてもいいじゃんっ」
彩葉たちに話してみたら、案の定その答え。
わかっているからこそグサッとくる。
「あのねぇ……もう2年近く桜綾と一緒にいるんだよ?わかるって。一度決めたこと揺らいだりするの。やっぱり好きとか、やっぱり諦めるとか……聞き飽きました」
「はい。すんません」
きっと耳にタコができるくらい言ってるな。
数え切れないくらい、記憶にあるもん。
「一時的な感情で言い切っちゃうからね。それは私もそうだからわかるよ。だから言うじゃん、“意地張るな”“強がるな”って」
今まで何度言われたことか……。
恋愛のことになると特に酷い私。
でも優柔不断でも毎回3人共受け止めてくれるから、優しいんだよね。
「本当に忘れたいって思うなら、魁に告白したら?」
「えっ‼今!?」
「当たり前じゃんっ」
そんなこと言ってもなぁ……
「明菜がいるし……言えないよ」