好きが涙に変わって溢れてく。
◆ Section6◆
私への罰
放課後に先生に呼び出しを受けてまた説教されて、さぁ帰るぞって意気込んで玄関に向かって行ったら……
「最っ悪‼」
ザァーと降りしきる雨。
朝はあんなに天気よかったのにっ‼
よりによって帰る時に降るなんて……
まだ帰っていなかった人達は、迷わず走って帰ってるし。
中には折りたたみ式の傘さしてる人もいた。
入れて下さいと言いたい所だけど知らない人だから無理。
家には誰もいないから迎えに来てもらうのも無理。
傘借りにいくのも先生に説教くらったばっかりだから嫌。
っていうことで……
「走るしかないか……」
制服が濡れたら大変だし、寒いし、冷たいし、化粧おちるし。
鞄に入ってる教科書とか濡れてしわしわになりそうだな……
タオルとか持ってないし、勉強しなくちゃいけないから置いてけないし……
これは全力疾走するしかない。
私は意を決して大雨の中に飛び込んだ。
地面が濡れていて滑りそうになるのを気をつけて、学校の坂を降りていく。
こういう時だけ妙に家が遠く感じるのは気のせい……?
それに200メートルくらい走っただけでもう息切れして歩いた。
早歩きだけどこれもまた疲れる。
雨のバカやろーって叫びたいくらいだ。
「そんなゆっくり歩いてたら風邪ひくだろっ」