好きが涙に変わって溢れてく。
起きた私に気付いたのか、カーテンの隙間から顔を覗かせる先生。
「熱あったのわからなかったの?」
「何となく予感はしてました」
「あなた倒れたのよ?無理しちゃダメじゃない」
倒れたんだ……私。
……え?倒れた?
「倒れたって、誰がここまで運んでくれたんですか?」
「溝端君よ。もう大慌てだったんだから」
魁が……
確かに魁といるときから記憶ないしな。
その時に倒れて運んでくれたんだ……しかも慌てて。
「休み時間もたまに覗きに来てたわよ?心配みたいね」
「そうなんですか……」
先生は私の額に手を当てて、首にも触れる。
「まだ熱はあるわね。1度病院に行って薬をもらった方がいいわ。学校も終わりだし」
「えっ、もう!?」
私そんなに寝てたんだ……全然わからなかった。
でも、さっきよりは大分体楽になったな。
「失礼しまーす」
ガラッと扉が空くと、魁がそこにいた。
「丁度よかった。片桐さん目覚めたみたいよ」
先生が離れると目があって、一瞬の笑顔を見せる魁。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとうね」
ベッドのそばに腰かける魁を見て、私は頭を掻いた。
「本当にビックリした、いきなり倒れるし」
「ご、ごめんね。なんか自分でもよくわかんなくて……」