好きが涙に変わって溢れてく。




「見事完全復活しましたーっ」



次の日にはいつもの明るい自分を取り戻していて、私は元気よく教室に入った。



「……またうるさい桜綾に元通りか」



頬杖をつきながら、冷めた目で見つめる彩葉。



「ちょっとー!うるさいってどういう意味よ。明るいの間違いでしょっ」


「明るいのは明るいけど明るすぎんのよっ」



堂々と彩葉と瞳の間に割り込んでそこに座ると、はぁとため息を吐いている。



確かに楽しかったり気分がいいと周りが見えなくなって1人はしゃいだりするからな……


気分屋な性格だし余計にね。



今だって周りのことなんて全く見えてなくて、ひたすら4人での会話に浸っていた。


その時、やっと視線を感じて私はその方に目をやる。


明菜と、よく一緒にいる女が2人。私を鋭く睨みつけていた。



そこでやっと思い出した。昨日瞳に言われたことを。


私も負けじと目をそらさずにいると、しばらくして明菜の方から顔を背けてどこかへ行ってしまった。




「何あれ」


「さぁ……」



彼女らの視線はみんな気付いているみたいで、疑問符を浮かべている。



「放っといた方がいいよ」


「そうだね」

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