好きが涙に変わって溢れてく。

何がしたいかわからないし、突然何をするかわからないから、私はなるべく考えないようにした。


でも1つ思うのは、魁との仲。


もしかしてケンカしたりしたのかな。

今どうなってるんだろ


やっぱりこれも全部、私のせいになるんだろうな……



そう思うと少しだけ、申し訳なく思う。


そりゃあやっぱり、ちょっとはざまあみろって思う気持ちはあるけど、なんか自分的にスッキリしないから。


だけどそんな不安も、数時間後にはサッパリなくなった。

















「魁くんっ」



クラスにやってきたのは笑顔の魁と明菜。腕を組ながら向かいあって喋って、何ともまぁラブラブっぷりを見せ付けている。


何だ……仲いいんじゃん、あの2人。


考えてみたら、明菜が私のことで怒ってもそれを魁に話すことはないんだ。


明菜にとっても都合が悪いし。


魁の中で私たちは、偽りの“親友”なんだから。





「うーわっ、何あの語尾にハートマークつきそうな高い声は。耳に入ってくるだけで嫌になるわ」


「しかもこっち何回も見て、見せつけてるみたいだし」



両側から出てきた彩葉と瞳の顔。

2人とも苛立ちを隠せないよう。



あんなのはもはや明菜の得意技。自慢したり見せびらかすの。

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