好きが涙に変わって溢れてく。
尊琉君は明菜のこと知ってるもんね……
「ゴメンね。やっぱり誘わない方がよかったよね……」
「いや、桜綾ちゃんが一緒だから全然いいよ。それに絶対俺には関わってこないと思うし」
「どうして?」
「だって前あの子に言ってやったじゃん、『お前最低』って」
「あ……そっか」
そうだ忘れてた。
それなのに明菜はよく『尊琉君も誘えば?』なんて言えたもんだね。
何かあったらすぐ魁を頼るんだろうけど……
「桜綾ちゃんだって、あの子に全部言ったんだろ?しかもあの男の目の前でさ。なのによく一緒に遊ぼうなんて言えるよな」
「魁の中では仲直りでもしたようになってるんじゃないのかな。明菜が上手く説明して」
じゃなきゃ賛成するはずがない。
私は明菜が嫌いとは魁に言ってないし。
言ったらきっと嫌われるし……
「だから謝ってきた時も明菜のことは一切言わなかったからね」
明菜の思惑通り。
憎たらしくてすごくムカつくけど、私にも責任はある。
ちゃんと思ってることを口に出来ないから、こうなったのかもしれない。
自分にも腹が立つから。
「そうなんだ…」
か細い声が聞こえて、ハッとした。
「あ、ゴメンねこんな話……」
「いや、全然いいよ」
大分先にいる2人の後を、私たちは追いかけた。