好きが涙に変わって溢れてく。
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「片桐ーっ‼見てみて‼」
“ジャーン”と言って見せられたのは、何枚かのテストの答案用紙。
「はぁー!?」
その点数を見て、私は周りを忘れて叫んだ。
だってそのテストには、ビックリするほど丸ばっかり。
でかでかと書かれた点数は、あの時の彼の言うとおり80点以上ばかりが並んでいた。
「どーだっ‼思い知ったか!俺だってなぁ、やる時はやるんだよっ」
あんぐりとあいた口が塞がらない。
夢かと思って何度も目を擦ってまた見てみる。
……やっぱり夢じゃない。
本当にあの魁が80点以上とってるっ‼
「……カンニングでもしたんでしょ」
「人聞きの悪いこと言うなよなっ‼これは俺の実力だっての」
「だっておかしいもん‼今まで平均30点だった魁がいきなり80点とるなんて‼」
絶対になんかあるな。
隠してるに違いない。
「お前な……寝る間も惜しんで勉強した俺の努力を疑うつもりかっ?」
「う~ん……」
でも確かに本当かもしれないし……
そうだったらこんなこと言っちゃ酷いよねぇ。
「お前は?どうだったの?」
「う……っ」
何でこういう時に限って点数がガタ落ちしてるんだろ……
「全教科50点ない」