好きが涙に変わって溢れてく。
そんな大分前の話、まだ覚えててくれたの?
そんなに根に持ってたのかな。
でもあれは、ただの照れ隠しで私が素直になれなかったから、ああやって言うしかなかった。
「……意味は、ちゃんとあったのにね」
今となっては、もう過去の話だ。
「え?」
「何でもない、よく味わって飲んでよねっ」
「はは……っ、わかってるって」
行こうとする魁に、あの事を思い出した私は呼び止めた。
「ねぇ魁。ちゃんと、仲直りした?」
今日の明菜の様子から心配だったけど、振り返った魁は手を上げて笑っている。
「おう‼だから心配すんなよっ」
「心配なんかしてませんーっ」
ははは、と笑って段々と魁の姿が見えなくなっていく。
……そっか、仲直りしたんだ。
やっぱりあの2人、何だかんだでラブラブなんだよね……
いつまで経ってもきっと、明菜が飽きない限り羨ましい関係なんだろうな。
私も早く気持ち伝えて、おさらばしたい。
だけどいつ言えばいいのか、タイミングがわからない。
明菜にも気付かれないようにしなくちゃいけないし……
「よっ」
「あ、尊琉くん」
尊琉君の気持ちにも、ちゃんと答えられるように。
こんなに優しい人を、いつまでも待たせたら悪いし……
「何してたの?」
「ううん、何も」
何となく予感がする。
私……尊琉君のこと気になってる。
だから好きになる日が来るんじゃないかって。
魁よりも、もっともっと。