好きが涙に変わって溢れてく。

――ただ気になるのは、尊琉君自身の様子が最近ちょっとおかしいということ。



「桜綾ちゃんっ」



尊琉君は、毎日毎日頻繁に私の教室にやってきた。


前まではたまにだったのに、今では毎回きちんと来ている。



そんな尊琉君を嫌だなんてこれっぽっちも思わなかったけど、どうしたんだろうって気になっていた。


遊園地のあの日からずっと疑問に思ってたけど、なかなか聞けないし。



逢織や瞳は『それぐらい桜綾のことが好きなのよ』っていうけど、私にはそうじゃなくて何となく焦ってるように感じてならない。


まるで、このままじゃ誰かに盗られてしまうとでも言うかのように。





「今日一緒に帰ろ」


「うん、いいよ」



今日、聞けたら聞いてみようかな……


私の知らない内に、もしかしたら何かあったのかもしれないし。







この時の私は、何も気付いてなかった。



これから起きることも、自分がどうなるかも――



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