好きが涙に変わって溢れてく。
「お前、ずっと前からあいつとよく一緒にいるだろ。だけどその時から俺は、あいつの泣いてる所を見てばっかりだ。無理してるように感じる時もよくある」
こいつ……やっぱり何か隠してるのか?
動揺しているようにしか見えない。
まさか……
「さっきもあいつ泣いてた。最近ずっと様子もおかしいし。お前片桐になんか言ったのか?もしかして、お前のせいじゃねぇのか?」
「……は?!」
呆然と立ち尽くすこいつに、俺はじっと凝視する。
「お前と一緒にいるようになってから、あいつが元気ねぇとこよく見かけるんだ。だからお前が片桐に余計なこと言ったりしてるんじゃねぇかと思って」
暫くの沈黙の後、こいつの体が震えだした。
しかも凄まじい形相で俺を睨み付けたまま。
「……っ、てめぇそれ本気で言ってんのか」
低い声でいい放つと、それは一瞬の出来事だった。
「っ‼」
胸倉を掴まれてぐっと引き寄せられると思い切り顔を殴られ、俺の体は並んでいる机の中にそのまま倒れ込んだ。
「俺のせいだと!?ふざけんな‼
桜綾ちゃんの気持ち何もわかってねぇ奴が、勝手なこと言うんじゃねぇ‼」
掴んで立ち上がらせると、再びこいつは俺を殴った。
意味がわからなくて、俺にも怒りが芽生えてきて同じように胸倉を掴んだ。
「誰のせいでいつも泣いてると思ってんだよ‼苦しんでると思ってんだよ‼」
それがわからなくてこいつかもしれないと思って聞いたことなのに、何で殴られなきゃなんねぇんだよっ。