好きが涙に変わって溢れてく。

俺の考えていることが当たってるってわかった瞬間、顔の温度が一気に上がっていくのがわかった。


恥ずかしかったけど、それ以上に嬉しくてたまらない。




「あんたに散々酷いことされて、桜綾が泣いた日もたくさんあって、正直私はあんまり応援しようとは思わなかったけどね。あんたはムカつくし、桜綾の悲しむ所、見たくなかったし」



あいつが泣いた日……?


俺、さっき蕪城尊琉にそのことを言ったばっかりなのに




『俺のせいだと!?ふざけんな‼』




怒って当然か。あいつの涙は俺のせいだったんだから。


きっと噂を信じてあいつを責めた時だな。



……けど、それ以外で泣いてた時は?


俺、何か酷いことしたのか?



「でも、何だかんだ言っても、桜綾にとってやっぱり魁が1番なのよ。あんたじゃなきゃ、桜綾の本当の笑顔は見れない」



そこまで言われると、恥ずかしくなってくる。


そんなにあいつ、俺のこと好きでいてくれたんだ。



「自分の気持ち、伝えてきたら?早くしないと、間に合わないかも」



急に彩葉の表情が変わった。



「どういう意味だ?」


「桜綾、最近様子がいつもと違うの。喋りかけても上の空が多いし、常にどこかに行ってる感じで……」



やっぱり彩葉も気付いてたんだ。



またあいつに、何かあったのかもしれない。



あの男には二度と首を突っ込むなって言われたけど、今は堂々と言える。



俺は片桐が好きだ。誰よりも大好きだから、あいつは俺が守りたいって。



だから放っとけない。


俺がずっと、あいつの側にいたい。



明菜にちゃんと言おう。俺の今の気持ちを。


怒ると思うけど、もうこれだけは変わらないから。


わかってもらえるまで、話し合おう。




「2人共ありがとな‼俺行ってくる」


「ちょっと待って‼」

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