好きが涙に変わって溢れてく。

でも、現実はそう上手くはいかないもんだ。



「これからどうするの?」



これから……?


俺の意志は変わらない。決まってる。



「諦めないよ、俺」



何があっても絶対に。



「まぁ、邪魔するつもりはねぇけどな」



ははは、と笑うとまた虚しくなってくる。


しん、とした空気の中、遼也が言った。



「あの子はどうすんだよ?」


「明菜か?」


「おぉ」



明菜にちゃんと伝えないまま、片桐に告白したんだよな……


上手くいかなかったからって、じゃあ明菜と付き合うなんて器用なこと俺には出来ないし。



「今から言いにいく。ちゃんと自分の今の気持ち伝えてくる」



楽しかったけど……きっとあの時の俺は本当の俺じゃなかった。


でも、感謝してる。




「え……?今から?」



どこかまずそうな顔をしている彩葉。



「何で?」


「ううん、何でもないけど……今なら……」


「?」



上を向いて何か考えているのか、独り言のようにぼそぼそと喋っている。



「きれいサッパリ終わりたいなら、今は行かない方がいい気もするけど……でもそのままもムカつくし……」



きれいサッパリ……?


よくわからなかったけど、なるべく早く言いたかった俺は



「明菜、どこにいるかわかるか?」


「5組」



すぐにその教室へ向かった。












「――瞳、大丈夫かな……」


「何かあるのか?」


「うん……今2人が話してるから。桜綾のこと聞きだす為に」



2人がそんな会話をしているとも知らずに。

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