好きが涙に変わって溢れてく。


「帰りさ、前行ったケーキ食べに久しぶりに行こっか?」


「ホントに!?うん、行くっ‼」



尊琉君が提案して、二度目に訪れたケーキ屋さんは何にも変わってなくて。


私達は前と同じ場所に座って、前に頼んだものと同じものをまた頼んだ。



「相変わらず美味しいねぇ」



モンブランとショートケーキの味は前と同じで、妙に懐かしく感じてしまった。



「あー幸せ」



また今日も5、6個くらいは普通に食べられそう。


けど今日は絶対に我慢しなくちゃね。





「今日は二個でおわり?」


「うん、お腹いっぱいだから」



尊琉君も私がケーキになると食欲旺盛になるの覚えてたんだね……



「どうしたの?何かあった?」


「へ?」



どうしたのって、特に何もないのに……


でも、尊琉君の顔は真剣そのもの。



「何にもないよ?ただ、太りたくないだけ」



我慢してますって言ってるようなもんだけどね。

本音はこれだから。



「そっか……」



寂しそうに笑う尊琉君に、私の方が心配になってしまう。


それこそ“何かあったの?”と聞きたくなるくらい。


けれどそれは一瞬で、すぐにまたいつもの尊琉君に戻った。



大丈夫かな……



聞こうと思ったけどそんな雰囲気にもならなくて、ケーキを食べて私達はすぐに帰った。










――――――――
―――――


「ねぇ、今日さ、4人で遊ばない?」



冬休み前日。

終了式が終わった後、そう提案したのは彩葉。



「賛成ー‼」


「私も」


「私もーっ」



放課後に4人で遊ぶなんてほんっとに久しぶり。


学校で一緒にいても、一歩外へ出たら訳が違う。

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