好きが涙に変わって溢れてく。

「でも、遼也はいいの?」


「いいのよあいつは。最近忙しいみたいだし」



へー、あの遼也が。


毎日ヒマしてそうなのに珍しい。



「桜綾こそ尊琉君はいいの?」


「うんっ。言ったらきっとわかってくれるよ。私もたまにはみんなと遊びたいしね」



毎日放課後に尊琉君といるのもいいかもしれないけど、彩葉達とも一緒に過ごしたいしね。



「あ、逢織は?彼氏」


「え?そんなの無視」



軽くあしらう逢織は、全く関係ないといったご様子。


逢織と彼氏は長いからね……


だからこそお互い信用しきってるんだよね。







「……で、私には何も聞かない訳ね」



不満そうに言い放ったのは瞳。


眉をピクピクと動かしながら、不機嫌そうにそっぽを向いた。


あ……彼氏いないの瞳だけなんだ。




「ま、まぁまぁ‼瞳もすぐに出来るって」


「そんなフォローいいもんね、私は一生1人の道を歩いていくんだからっ」



そういう意味で言った訳じゃないのに。


腕を組んでフンと鼻を鳴らす瞳に、彩葉と逢織は笑っている。




「で、どこに行く?」


「そうだなぁ……じゃあお金ないから私の家で」



自分から誘っておいてお金はないのかいっ


まぁ彩葉の家は面白いからいいけど。



「よし、決定っ」


「じゃあ私、早速尊琉君に言ってくるねー」



4人で遊ぶってことが嬉しくて、すぐに尊琉君のクラスへ向かった。




「「「…………」」」




3人共、この時何を思っていたんだろう。

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