好きが涙に変わって溢れてく。
強制的に動きが止まる。
そして俺は、4人の男に前後左右囲まれた。
「俺らさぁ、お前にムカついてしょうがないんだよね。明菜とも別れたいんだろ?それって大分好都合なんだよな」
こいつら明菜のこと、知ってんのか……?
「なぁ明菜?もうこいつ俺らの好きにしていいだろ?」
どこに向かって話かけているのかと思っていたら、コツコツと足音と共に影から誰かが現れた。
「うん、いいよー。まさかあんたがここまでするなんてね。たかが写真だけのために、そこまでするとは私も思ってなかったわ。だからもういいわ、もう用済み。
……好きにしていいよ」
見た目からも想像がつかないくらい派手な格好をした明菜が、腕を組んでそこに立っていた。
それは本当に見間違える程の風貌だ。
「明菜……」
「何よ。もうどうでもいいわ、あんたなんて。別れたいって?別に初めから凄く好きで付き合ったんじゃないんだし、別れてあげる。っていうよりも、こっちから願い下げよ」
フンと鼻で笑い、明菜は俺に近付いてくる。
「少なくとも私の思い通りにいった訳だしねー、その辺りは感謝してるわ」
なんだこの女。
これが本当の明菜なのか?
まじ信じられねぇ。
今までこんな奴に利用されてたなんて。
「お前……そんな性格で今までよく過ごせてこれたな。お前みたいな奴と付き合ってたって思うと虫酸が走るよ」
「だから言ったでしょ?どうせ誰も信じないって。だからこそ学校であんな風に過ごしてたのに。泣けばこっちのもんよ、特に男はね」
冷たい目で見下ろして不気味に笑う明菜は、体中に寒気が走る程不気味だ。
「だからつまり、あんたがバカだったってことよ。しかもこんな所にたった1人で来るなんて頭おかしいんじゃないの?たかが女1人のために。あんな奴放っておけばいいのに」