好きが涙に変わって溢れてく。

「魁っ‼」



すぐに駆け寄って魁の体を抱き上げると、腹部からは大量の血。


押さえていたのか、魁の手も真っ赤に染まっている。




「魁っ‼ねぇ魁‼」



目を瞑ったまま動かない、魁。


嘘だ――こんなの絶対に嘘だ――……



「しっかりしてよ魁……っ‼」




何で何も言ってくれないの?

何で目、開けてくれないの?



「嫌だよ魁っ!ねぇ……っ‼」



ポロポロと、私の涙が魁の頬を濡らしていく。


これが現実だと、思い知らされているようで。


いくら魁に触れても名前を叫んでも、魁は何も反応しなかった。




「起きてよぉ‼」



死ぬなんて嫌だ……




お願いだから。

やっと自分の気持ち伝えられると思ったのに。


やっと気持ち通じ合うことができると思ったのに。



……こんな終わり方嫌だ。




「魁っ!……っ、ねぇ魁ってば……」



まだあなたに伝えてない言葉がある。

聞いてほしいことがあるの。



だからお願いします。


目を開けて、私を見て?



こんな風に終わりたくない。




「魁ーっ‼」



こんな結末、一体誰が想像してただろう。



私は何のために、ここにきたの?

魁を助ける為で、魁を守るためだったのに。


どうして私が、今こうしているの……?



「お願い……っ、お願いだから……っ‼」



魁じゃなくて、私が傷を負うべきだったんだ。


そしたら今も、魁はきっと笑ってたはずなのに。




“ゴメン”なんて言葉聞きたくなかったよ。



あれが本当にもう、最後なの?


私の言葉、聞いてくれないの?



どうしようもない、変わることのない現実。



泣いて、ずっと泣いて、魁の頭を強く抱きしめていた。









――その時















「――……ばー…….か」

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