好きが涙に変わって溢れてく。

上手くいったこと

ちゃんと尊琉君との約束守ったこと



尊琉君は私の笑顔を見て安心してくれていた。



『本当の桜綾ちゃんだね』って言ってくれて


それから『おめでとう』って尊琉君も祝福してくれた。



絶対にそんなこと言ってくれないと思ってたのに。

嫌われたかなって思ってたのに。


だからその優しさに、泣いてしまいそうになったのも事実。




「そっか、ならよかった……」


「ありがと彩葉」



彩葉も尊琉君のこと心配だったのかな……


心底ホッと安堵しているようだ。






「あ~あ……。みんないいよねぇ、ラブラブでさぁ」



べそをかいてそう言ったのは瞳。


だけどそんな瞳に、逢織がニヤリと笑みを浮かべながら歩み寄る。



「何言ってんのよーっ‼いい人見つけたくせにー」



ツンツン肘を当てると、ボッと瞳の顔が真っ赤になった。


……まじですか?



「え!?何それ‼いつ!?どんな人!?」



この反応は嘘じゃないな。


瞳の口からそんな言葉が聞けるとは思わなくて、私と彩葉は興味津々だ。



「え、えぇ……?でもまだ好きって訳じゃ……」


「またまたぁ‼そんな照れた顔してーっ」


「て、照れてないってばー!」


「そんな嘘通じませんー。誰なのか白状しろーっ」



彩葉……そんなに気になるのね……



瞳、思いっきり困ってるし。





でもよかった。

瞳にもやっとそういう人が出来て。



明菜のこともあったから、もう恋しないつもりなんじゃないかって思ってたから。


やっぱり女の子は恋してると輝くもんだよね……。



瞳、可愛い。


いつか想いが通じる日が来るといいね。












「いいもんだな、こういうの」


「え?」


「何か、青春ってやつ?」


「あはは。何それ」



魁は楽しそうに話している彩葉達を後ろから見つめながら言った。

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