好きが涙に変わって溢れてく。
最低な私
普通に授業を受けて、お昼までは何事もなく過ごすことが出来た。
ずっと教室だから魁に会うこともないし、明菜とも喋ってない。
明菜は何も悪くないのに、あまり接したくないと思っている自分がいる。
明菜からも、話かけられることはなかった。
5限目は移動教室。
4人で向かっていると、私の目は自然と左右を行き来していた。
この行動はもう、私の体に染み付いてる。
廊下に集まり、騒ぐ男子。
その中で私は、魁の姿を探していた。
会いたくない。口にはそう出していても、心は正直だ。
魁が見たいと。
いつもなら集団で廊下にいたり、魁が1人ではしゃいでたりするからすぐにわかるはずなのに、そこに魁の姿は見られなかった。
「さーや。やっぱ探してるんでしょ?自然と」
「あ、ごめん‼」
足が止まっていたらしく、3人が私の顔を覗き込む。
私の気持ちを痛いくらいにわかってくれてるから、何を言わなくたってお見通しだ。
「なんかもう、クセなんだよねきっと。魁の背中を目で追いかけること」