好きが涙に変わって溢れてく。
再び歩きだして、私達は教室に向かう。
「それぐらい好きなんだね……魁のこと」
「うん……そうかも」
もう私には魁しか見えない。他の人なんて考えられない。
誰が何と言っても、私はずっと魁のことが好きだから。
しばらく廊下を歩いていると、聞き覚えのある声がした。
「ホントに!?ありがとういつもいつも」
「いいよ、気にしないで。ちゃんと返してくれるし、魁くんのこと信用してるから」
この声……
誰が誰と話しているのか、すぐにわかった。
それを悟った3人も、その場に立ち止まる。
目の前には、教室の扉の側で話をしている、魁と明菜。
それも、2人共凄く楽しそうに。
魁の笑顔なんて、幸せそうだ。
「そう言ってくれると嬉しいよ!ありがとう明菜ちゃん‼」
またお金借りたのかな?
魁にしてみたら、それしか明菜と話すチャンスなさそうだし。
いくら何でも、いきなり2人の姿を同時に見てしまうなんて……。
辛い。悲しい。
また……涙が出そうになる。