好きが涙に変わって溢れてく。
「今は彼氏いるの知ってるし、別に奪おうとも邪魔しようとも思わない。だけど待ってたいんだ、その日が来るのを。一生来ないかもしれねぇけど、今の俺には明菜ちゃんしか見えないから」
「…………」
私と……同じ。
魁が明菜を想う気持ちは、私が魁を想う気持ちと同じだ。
それは言い方を変えれば、私には望みがないと言われているような気がした。
「そっ、かぁ……」
「まぁお互い頑張ろうぜ!?俺に出来ることがあれば言えよ?協力するから」
「うん、ありがと……」
「じゃあ俺先行くから」
1人で走り去っていく魁。
私と2人で並んで歩くことが嫌なのかな……
切なく、そんなことを思ってしまう。
これが私じゃなくて明菜だったらきっと、ずっと隣を歩くんだろうな……
「何聞いてんだろ……私」
一生懸命に涙を堪えて、私は呟いた。
協力なんかいらないよ。
だって好きなのはあなた。ほしいのはあなたなの。
あなたが協力してもしなくても、あなたの心は私のものにはきっとならない。
だけど私も、あなたを諦めるなんて出来ないよ……。
誰か教えてほしい。どうしたら、魁に振り向いてもらえるのか。
それとも、魁を完全に忘れることが出来るのか。