好きが涙に変わって溢れてく。


見下されているようで、悔しくて歯を食いしばった。


「明菜ってさ、彼氏と別れたの?」


これ以上は身が持たないと思った私は、すぐに話題を変えた。



「あ……知ってた?」


「うん。そんな予感してたし」


「ふ~ん、そっか」



ニヤリと笑みを浮かべて、明菜は横目で私を見る。


何かを企んでいるかのような……怪しい瞳。


「別れたよ。今気になってる人がいるから」


「それって――……」


“魁”という名を口にしてしまいそうになって、私は慌てて口を閉ざす。



今はまだ知らないフリをしなければ。

魁だってことはもう確実なんだから。


聞いたって仕方ないし。


するとクスッと鼻で笑うような声が聞こえた。



「まぁ、その内わかるわよ」



明菜のその反応。


きっと知ってる……私が既に明菜の気持ちに気付いてることを。



「すぐにでもね」


「…………」



もう……限界だ。

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