好きが涙に変わって溢れてく。

大好きなのに、届かない。


大好きなのに、離れてく。



「ふ……っ」


声が抑えきれなくなって、私は廊下の隅にしゃがみ込んだ。



「……っ、う……」



魁……


私があなたに“好き”と伝えたら、あなたは絶対に断るよね。


わかってるから、伝えられない。


それにあなたに迷惑をかけることが目に見えているから。



邪魔しちゃダメだって、好きなら応援しなきゃってわかっていても。

私にはそれが出来なくてゴメンなさい。


それくらい、私はあなたが好き。




一番怖いのは、この関係が終わってしまうこと。

あなたが離れていってしまうこと。



私があなたに想いを伝えたら、あなたはどうする?


もう言い合いも何も出来なくなるの?


毎朝“おはよっ”って言ってくれなくなるの?



私は一体どうしたらいいんだろう……。













「……片桐?」

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