狐のゲーム[復讐の月]

しかし赤らめた顔から一変
急に顔がサァッと青ざめる

「せ、瀬戸内君、どうしよ!」

「何が?」

「鍵閉まってるんだよ!」

「あー…やっぱりかぁ…。
うーん…どうしたものかなぁ…。
とりあえず、担任に連絡してみる?
番号俺、わかんないけど…。」

「あっ、私わかる!
いざという時に、と思って
入れといてよかったぁ…。」

携帯をポケットから取り出し
電話帳を開こうとしたその時

「えっ…?」

「どうしたの?」

「圏外…?え、なんで…?」

「えっ!?学校が圏外なわけ
ないじゃん!?」

「だって、ほんとだよ!?」

携帯を雅に勢いよく見せると
雅はマジマジと携帯を見てから
自身の携帯も取り出し確認する

「マジか…。」

「瀬戸内君のも…?」

「うん…。」

「どうしよ…。なんで…。」

再び途方に暮れる

「職員室の近くに
公衆電話ってあったよね…?」

「あ、そういえば…。」

「お金はあるし、いってみよっか。」

「うん…、いこっか。」

そう言うが早いが
早足で職員室近くの公衆電話へと
向かおうと
沙代は下駄箱で靴を履き替える

幸い職員室は1階の為
廊下を歩けばすぐ着く

2人で職員室へと繋がる廊下を
歩き出していく

「(せっかく2人きりなんだし…
何か話さなきゃ!)
ねぇ、瀬戸内君。
結局瀬戸内君がこんな時間までいた
理由聞きそびれちゃったけど…。」

「ん?あぁ、忘れた課題
取りに来たんだよ。提出明日のやつ。」

「あ、数学の?」

「うん。」

「そっかぁ。でもよく夜に来れたね?」

「え?なんで?」

「怖くない?夜の学校とか…。」

「不気味だな、とは思うけど
怖くはないよ?」

「へぇ…。」

「あ、あったあった。」

公衆電話を見つけ
2人が小走りで駆け寄る

受話器をとり
沙代がバックから財布を取り出し
10円を出し、公衆電話に入れ
番号のボタンを押す

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