狐のゲーム[復讐の月]

「何あれ!?何あれ!?何あれ!?」

「わかんない!でもあれは
やばいよ、逃げなきゃ!」

「何処へ!?外には
出れないんだよ!?」

「とりあえずどこか部屋に!」

その時必死で走っているにも
関わらず、すぐ後ろで
ベタベタベタベタベタベタッと
追いかけてくる足音が聞こえてくる

一瞬雅が後ろを振り返ったかと
思うと急激に頭を元に戻して
走るスピードを上げた

「どっ、どうしたのっ!?」

息も絶え絶えになりながら
問いかけ、気になり後ろを
振り返ろうとすると

「振り向かない方がいいっ!
前だけ向いてるんだ!」

「え!あ、はい!」

走っていると2階へ繋がる階段が
見えてくる

「階段上がるよ!
あいつはあのスピードじゃ
止まれないだろ!多分!」

「…うん!」

そんなにスピードあるのか奴は
とまたしても恐怖に煽られながら
ただ走った

「上がるよ!」

階段にさしかかると
急に止まりそこから一気に階段を
登っていった

無我夢中で3階まで登ると
体力があまりなかった沙代は
崩れ落ちてしまった

「はぁっ…はあっ…!」

「矢島さん、大丈夫!?
もう少し頑張って!」

「ま、待って…!」

「もうすぐそこだからっ!
ってあれ…。」

「…?」

「足音が消えた…?」

「…ほんとだ。」

追いかけるあの音が無くなり
お互い首を傾げる

「はぁ…はぁ…。
やっぱり、スピード出過ぎて
曲がれなかった…?」

「壁にぶつかったなら
助かったけど…。…見てくる。」

「!?だめだよ!危ないよ!」

「でも危険要素を残したままは
不安でしょ!?見たらすぐ
帰ってくるから。」

「じゃあ、わ、私も行くよ!」

「でも…。」

「お願い!それに2人で
行った方がが安全だよ!」

「…わかった。行こう。」

いつでも手を引き、走れるように
手を繋いで階段を一段一段
恐る恐る降りていく

途中で電気のスイッチを見つけ
電気をつけながら…
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