RUN! ~typeA~
もう、と口をとがらせると一番最後に古びたタラップを降りた玲子が呆れたように溜息をつくのが耳に入る。


「香織はしゃぎすぎー」

「玲子まで!
みんながだれてんのよ!?
海だよ?  夏だよ?  夏休みだよ?

新たな恋の予感がひしひしと・・・!!」



「「「ナイナイ」」」


「みんなしてひどいなぁもう!!」


けたけた笑うコウ。

軽くけりを入れようとして逃げられて、悔しがっていたらまた声をあげて笑っていた。


「コウ。周りに迷惑」

「はーいよ」


和也がそれをたしなめると、コウはにやりと笑って静かになった。

落ち着いた和也の声で周りは静けさを取り戻す。





一人テンションの高いあたしを除いて。
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