裏切り裏切られ
教室ではもう既に友達を作っている者もいる。
中学校の時の黒い雰囲気とは打って変わる。
そんなの一時期だけで、萎れた花に変わっているに違いない。
じっと教室を眺め、目が合わぬように今の私も知らない謎の人を探す。
地味すぎる子でもなく、派手すぎる子でもなく普通の子。
私もそんな人達と同じで残酷な人間だということを知っている。
ふと視界に華が入る。
誰でも受け入れようとする姿勢とたたずまい。
この子とならば上手くいく。直感だった。
それで間違いないと思った私は彼女に話しかけていた。
「あ、あの。
都中出身の井上晴美といいます。
よろしくお願いします!」