少年と少女 ～出会い～

「どけ！ざけんな！」

私はこれでもかってくらい暴れるけど、直ぐに他の一人に腕を捕まれ動けなくなった。

だけど、最後まで足掻いてやりたかった。

「クソ！私に触んな！手足が動かなくてもそれ以上近付いたらお前の喉噛み千切ってやるからな！」

こんなとこ誰も助けに来ないのは分かってるけど、ありったけ叫びまくった。

私はまだ12でエッチなんてやったことがない。

これから色町に行くんだから、いずれはする運命で早いか遅いかの違いなんだろうけど、こんな男が初めてなんて絶対嫌だ！

「どんだけ叫んだって無駄なん……」


そう私の上でせせら笑っていた男の目玉が急に上を向いて、力を失った重い体が私に倒れこんできた。


「きゃっ！」

な、何!?

押さえつけられていた腕も解放されて、男の体で視界を奪われた私の耳には怒号と争う音しか聞こえない。

事態を把握しようと男の体をどかそうとするけど、重すぎて中々動すことも出来ない。

そのうち辺りは不安なくらい静かになって、こちらに近付いてくる足音だけが響いた。

それは私の直ぐ脇で立ち止まって…