紬ぎ、紡がれ、君に恋して。
「そうそう私さ、さっきの会話で思ったんだけど」
ゆらが話し出す。
「あの先生どっかで見たことあるような気がするんだよなあ」
ゆらの発言に私は驚く。
なぜなら私もそう思っていたからだ。
「えっ」
私は思わず口を開いた。
「ぐ・・・偶然・・・なのかわからないけど、実は私もそう思ってたの・・」
「え、まじ?紬も?」
「うん・・」
何故か、先生の姿を、目を、初めて見たとき、初めて見たはずなのに久しぶりに会ったような懐かしさとうれしさがこみ上げてきたんだ。
本当に見覚えがないのに懐かしい感じがして・・
ついこの間まで隣にいた人が突然いなくなって、そんな人と数年ぶりに鉢合わせたような・・・
「むぎ・・?紬!」
「え?あ、うん。何?」
「もーなになに?急に黙り込むからビビったじゃん」
「・・あー・・ごめん」