紬ぎ、紡がれ、君に恋して。


ガララララララ・・


教室のドアが開く。






「おし。みんな戻ってきたかー?・・遭難組も・・ちゃんといるな。大丈夫だ」






遭難組って・・・・







ゆらが不機嫌そうな顔で振り向いた。







うんうん。気持ちはすごくわかるよ。











「じゃあこの1時間はそれぞれクラスでの活動ってことになったから自己紹介してもらうぞー。」




・・・まあ最初はそういうもんだよね。高校生って感じだな・・



先生は名簿をぱらぱらとめくった。




「30秒くらいの軽い自己紹介でいいからなー。んじゃ出席番号順に行くぞー。1番ー
会田ー。」





「えええ!早すぎるっすよー!」






会田君は茶髪の少しチャラっとした感じの男の子。





男にしては珍しいぱっちりお目目が彼の印象を際立てている。










「っす。会田 拓哉っていいまーす!拓哉の名前の由来は親がSMAP好きだからでー。んー、バスケが得意でバスケ部に入る予定なんで、バスケ部入部希望のやつとか気軽にはなそー!あ、あと彼女募集中」





「ハハハハハ!会田って面白いなー!」



「うんうん!キムタクとか笑える」



うわあー最初にしてはいい自己紹介すぎるでしょ!絶対クラスの人気者だな。会田君。





「ふーんアイタクはバスケが得意なのねえー」



先生が独り言を言いながらメモ帳のようなものに何かをサラサラとメモしている。




多分生徒の得意なこととかをメモっているんだろう・・というかそれより・・






「ちょ!!アイタクってなんすか!」


・・やっぱり。




「んんーん?会田拓哉。略してアイタク的な?」



・・・ま、まじか・・






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