紬ぎ、紡がれ、君に恋して。
女の子が振り向く。
と同時に。
シン………。
教室がピシ・・・と一瞬にして凍ったような静けさが走った。
・・・え、何?
あまりにも唐突に静かになったので気味が悪くなった。
気を紛らわそうと辺りを見回す。
楽しそうにしゃべっていたクラスメートが皆
動いていない。固まっている。
私、今夢でも見ているのかな..?
・・・ねえ、皆、なんか喋ってよ。
視線を手前に戻すと、さっき肩を叩いた女の子がこちらを振り向いたまま固まっている。
彼女の瞳はくりっとしていて可愛らしい。
そして何だろう、この感覚は。
この子を見た時から胸がすごく苦しくて何故か懐かしい。
会ったこともない、初対面の人のはずなのに。