紬ぎ、紡がれ、君に恋して。



昔、私の家の隣に男の子が引っ越してきた。



その子の名前は唯月くんだった。



近所に同い年くらいの子がいなかったから、二人はすぐに意気投合して遊ぶようになった。



まだ2歳くらいの頃だったから、砂場で砂遊びとかそんな感じの遊びをしていたんだと思う。







そんなある日、お母さんからお隣の唯月くんが今度の月曜日にお引越しをするという話を聞いた。





私は、泣いた。


今でも記憶がはっきり残っているくらいに思い切り泣いたんだ。



もう二度と会えなくなるのが怖くて、どこにも行ってほしくなくて、たくさん泣いた。





それでも唯月くんは毎日、変わらずに私に接してきてくれた。






そして、引っ越しの前日・・・だったかと思う。




いつも通り砂場で遊んでいると、唯月くんが真剣なまなざしで私を見た。



その時に唯月くんは何か言ったんだ。

















私はそれが今でも思い出せなかった。
< 87 / 114 >

この作品をシェア

pagetop