紬ぎ、紡がれ、君に恋して。
「・・・っていうのがあの日に言った言葉。・・・俺が今から言うのはその時に言った言葉じゃなくて、今の俺があんたに思ってることを伝えるだけだから。」
「思っていることって何‥」
・・・・っ
先輩が私を抱きしめた。
先輩の体温が息が、何もかもが0センチになる。
「好きです。俺と付き合ってください。」
涙が溢れた。
先輩が私のことを想っていたことに、先輩の優しさに、すべてに涙が出てくる。
そして一番なのはうれしいから。
私は、先輩のことを一度忘れてしまったけれど、入学して先輩に会ってから、知らぬ間に先輩に恋していた。
気づいたら、ほかの誰よりも七瀬先輩のことを見ていた。
そして、思い出したの。
先輩は・・・いっくんは私の世界で一人だけのヒーローだってことを。
私って本当に馬鹿なのかな。こんなに大事な想いを忘れてしまっていたなんて。
七瀬先輩のことが頭から離れなくて
これが恋だって今さら気づいたの。