紬ぎ、紡がれ、君に恋して。
先輩は背を向け、私を庇ってくれた。
ドン!
鈍い音が響いてトラックがぶつかり、私たちは思い切り突き飛ばされた。
全身にトラックの衝撃が一気に伝わってきて、声が出ないほど痛かった。
ズッザアアアアアアア。
地面に体が擦れる音。
痛みがすごくてもう、どれが痛いのかわからなくなっていた。
手に、べとっとした液体がついた。
・・・・血かな・・。
意識が朦朧とした中で渾身の力を振り絞り、目を開く。
そこには、うっすらだけど倒れた先輩、そしてその後ろにはボブ丈の女の子がいたような気がした。
その女の子は笑っていたような気がした。
私はまだ、答えを言っていないのに・・・。
七瀬先輩に、告白の返事をしていないのに・・・。
そして明日の試合は・・・どうなるんだろう・・。
みんなで、勝つって約束したのに・・・。
痛さもわからない体から、涙がぽろぽろと溢れてくる。
みんな・・・、ごめんね・・・。