紬ぎ、紡がれ、君に恋して。
先輩から雑用を押し付けられた時に、黎とともにグラウンドの外を出た。


女子の気高い悲鳴が上がるなか、素朴系の女の子はずっと真剣に、先輩たちのプレーを、ボールを追ってた。


目がくりくりで、よく見たら小動物のように可愛らしかった。



今思えばこの時から俺はあいつのことを意識していたのかもしれない。




用を終え、グラウンドに戻ろうと彼女らの後ろを通った時だった。











「紬!あの先輩がさっき言ってた先輩だよ!ほら!あそこ!」



素朴系の彼女の隣にいる友人がそう発した時、俺は思い出した。








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