舞龍
「はぁ……」

深いため息をつきながら校舎に入った。

えっと、理事長室にいかなきゃいけないんだったっけ?

そう思いながら足を進めるうちに気づいた。

「これは……迷子?」

全く道がわからない。来た道を戻ろうにも自分が今何階にいるのかすらわからない。

え、どうしよう。普通にまずいんじゃないか?えっと、こういうときは通りすがりの人に聞くのが一番だ。

そう思ってあたりを見回すが
不良校に自ら授業を受けに来るような真面目は数少なく人一人見当たらない。
すると、

「君、何してるのー?」

とチャラそうな男3人組が話しかけてきた。

「めんどくさ」

思っていたことがそのまま口に出てしまった。

「あ?んだとてめぇ!こっちが下手に出たからって調子のってんじゃねぇぞ女!!!」

急に逆ギレしたチャラ男①
それに便乗してかチャラ男②③もキレだした。そして①が

「ちょっと痛い目見ないとわかんねぇかぁ!!」

と言いながら拳を振り上げた。
喧嘩はしないと、そう決めていたが
仕方がない。久しぶりにやるか
と思い止めようとした瞬間

「おい、てめぇら何してやがる。」

一人の男の声でチャラ男①の拳は止まった。
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